文様を通して祈りを捧げる〜アラム祭壇旗と宝相華の美しさとは〜

皆さんは「文様」と聞いてどんなものを思い浮かべますか。ヨーロッパのお城の壁紙やテキスタイル、教会の窓、イスラム教のモスク装飾、神社仏閣の装飾など、世界中に「文様」は存在しています。今回は「文様」を通して出会ったインドアンティークのアラム祭壇旗と宝相華という和菓子についてです。

仏教文様の一つ、宝相華とは

こちらは御菓子丸の杉山早陽子さんの宝相華(ほうそうげ)というお菓子です。仏教美術に見られる宝相華という文様を使った美しいお菓子。

宝相華は空想上の植物をかたどったもので、京都伏見の法界寺でも見ることができるそう。鎌倉時代に描かれた彩色で、うっすらと蓮を思わせる花が広がる蔓が描かれているのだとか。お菓子の文様もどことなく蓮の花を連想させます。

 

日本に伝わる唐草文様の歴史

日本には「唐草文様」という言葉がありますが、仏教を通して7世紀頃には既に日本に伝わったと考えられています。インドなどから中国に仏教が伝わると同時に植物の文様が伝わり、もともと中国にあった雲や竜の文様に植物も取り入れられ、仏教の装飾模様として広がりました。そして日本へも伝わり、奈良の正倉院や薬師寺では唐草文様のものが見られます。

宝相華もそのうちの一つで、このような唐草文様や仏教文様によく見られる蓮のモチーフは、古代エジプトで永遠の生命を意味し、神聖な花として装飾に使われていたのだそうです。

アラベスク模様が美しいアラム祭壇旗とは

御菓子丸の宝相華と合わせているのはWELLBEING TOKYOで扱うインドアンティーク、アラム祭壇旗です。

ALAM(アラム)は旗を意味し、シーア派イスラム教徒の神聖なシンボルで、大自然への愛をあらわします。形・装飾要素・機能が密接に絡み合う透かし彫りのアラベスク模様が非常に美しく、宝相華との相性も不思議とぴったりです。

このアラムは、特にシーア派最大の年中行事であるムハッラムの月の10日目であるアシュラの日に使われ、預言者ムハンマドの孫であるアリの息子のアルホサインの殉教を記念して、この旗を掲げて行進が行われるのです。

 

イスラム世界におけるアラベスク模様とは

アラベスク模様とはカリグラフィー、幾何学模様に続く3大イスラーム芸術の一つで、植物の茎や蔓と葉や花などを組み合わせた模様が一定の形で繰り返し連なっているものです。イスラム文化圏のモスクなどの建築装飾が一番わかりやすいかもしれません。一定のパターンで無限に広がるアラベスク模様はまるで宇宙のような空間を作り出し、偶像崇拝が禁じられたイスラムでは特定の意味を持たないアラベスク模様が発展したと考えられています。

今年のWELLBEING TOKYOのグリーティングカードの絵柄にもアラベスク模様を使っています。

 

アラベスク模様のルーツとは

アラベスク模様のルーツは、ギリシャ、ローマ、サーサーン朝だとも言われています。葡萄の葉やアカンサスをモチーフに作られた蔦文様がイスラム地域にも伝えられ、それぞれの地域で伝統や文化を取り入れながら発展していきました。時代によっては持ち運びのしやすい織物や陶器によって世界中に伝えられたと考えられています。

文様を通して世界の平和を祈る

アラム祭壇旗のアラベスク模様も、宝相華の仏教文様もルーツは古代エジプトや古代ローマであることを考えると、時代や国を超えてこの2つがここで出会ったのは必然だったのかもしれません。どちらも宗教や祈りと密接に関わりがあり、平和的なシンボルとして人々に愛され、普遍的な美を現代まで伝えています。
時と国を超えて出会ったアラム祭壇旗宝相華を見ていると、いにしえの人々が文様を通じて祈りを捧げていたように、分断されつつある世界の平和を祈らずにはいられません。

今回ご紹介したアラム祭壇旗と写真で使用している錆鉄台座WELLBEING TOKYOのオンラインストアから購入できます。

 

アラム祭壇旗はインドのアンティークです。オブジェとしてお部屋のアクセントにいかがでしょうか。19世紀中頃のものでインド北部・カシミール/パキスタン北東部のものです。

 

錆鉄台座は奈良で職人が1つ1つ鉄板を削りだし、鉄工場の裏庭で雨風にさらして生まれる独特な風合いが特徴です。錆び留めの加工を施しています。大きさごとに4種類あります。

 

今回使用した錆鉄台座は以下のものです。

錆鉄台座 長角260 2枚入り (宝相華を置いている写真&お皿とフォークを乗せている写真で使用)

六本木のショールーム(完全予約制)でも商品をご覧いただけます。

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