インドのフォークアートであるマタニパチェディについて

WELLBEING TOKYOではアンティークも含め、インドの様々なアートワークをお取り扱いしています。約300年続く伝統的技法で描かれたマタニパチェディはタペストリーとして、また額装して絵画のように飾っていただけるものです。元々は何の為に、どのように作られていたのか、今回は昔ながらの技術で今に伝わるマタニパチェディについてご紹介します。

インドのフォークアート、マタニパチェディとは

マタニパチェディ

マタニパチェディとは文字通りに解釈すると「マタ女神に従う」を意味し、インドのグジャラート州アーメダバードとその周辺のケーダーという都市を起源とする伝統芸術です。

元々は寺院に通う代わりにマタ女神を奉って布に絵を描いたものが起源とされています。

カラム(竹の筆)による手描きとブロック型押しを併用して作られているインド更紗の一種で何世紀にもわたって技術が伝承されています。

インドのフォークアート、マタニパチェディの300年続く伝統的技法とは

マタニパチェディの制作風景

まずは生地を用意するところから始まります。手織りのマダーパットと呼ばれるコットン生地を水に浸し、翌日にはフルダ(タマリンドの種)の粉に浸し乾燥させたりと、下準備も全て手作業で何日もかけて行います。

下書きに使用する着色料の準備も手作業です。鉄水と赤糖を混ぜ、翌日にフルダを加えて煮て用意します。

カラム(筆)も竹を削って手作りします。

 

マタニパチェディの青い牛

下書きはまずは中心人物の輪郭を描くことから始まり、次に背景へと進みます。背景にはミョウバンから作るられた赤い着色料を使用しています。

ブロックプリントは一部に使用され、最終的な仕上げは全てカラムによる手書きです。染色にはターメリック(黄色)や藍(青)など全て天然のものが使われています。

インドのトップアーティストによるマタニパチェディ

マタニパチェディを製作するSanjay Manubhai Chitara

WELLBEING TOKYOでお取り扱いしている作品は全てインドのトップアーティストであるSanjay Manubhai Chitara サンジャイ・マヌバイ・チタラさんによるものです。マタニパチェディを描く伝統的技法を守り、300年続く現存する唯一の一家の出身です。

2000年にはアブドゥルカラム大統領からNational Award(国家賞)を受賞、2009年には Shilp Guru award for master craftsme(マスタークラフトマン賞)インド首相から贈呈されています。

「代々受け継いできた伝統ある仕事に誇りを持っている」と語るサンジャイさん。現在は息子さんも技法を学び、後世に伝統を繋いでいきます。

マタニパチェディ「黒いバッファローに乗るビシャ・マタ女神」

マタニパチェディのマタ女神

この「黒いバッファローに乗るビシャ・マタ女神」の「ビシャ・マタ女神」の名前は、グジャラート語の「vis-hath」つまりは20本の手に由来し、20本の手に武器を持っている姿で描かれています。また、マタ女神を中心に、神やその周りの人々、動植物の物語が力強く描かれています。

 

マタニパチェディの装飾

周りを囲むように描かれているのは異なる形の64の女神です。例えば鶏の上にベヘチャラーが座っていたり、ヤギの上に乗ったメラディ・マタ、ワニの上に乗ったホディヤール・マタ、そして雄牛の上にのったヴィサドゥ・マタなどです。マタニパチェディの上に全ての物語を描いているのです。

また、この写真にも写っている通り2体の天使が描かれていたりと西洋的なものも取り入れデザインを加えています。

ちなみに、一番外側の青い部分にはブロックプリントが使われている箇所です。

全てが手作業で一年に数枚しか製作できない貴重なマタニパチェディ。大変細かく美しい装飾を見れば納得です。

インドのマタニパチェディ「ジョグニ マタ女神」は世界の美術館にも収蔵

マタニパチェディの装飾

トップの画像に全体の姿をご覧いただけますが、このジョグニ マタ女神のマタニパチェディは同じ構図の色違いの作品がNational Gallery of Victoria, Melbourne(メルボルンのビクトリア国立美術館)に2019年に収蔵されています。

葉を描いたあとに、その後ろに色を付けているそうで、細かく繊細な手仕事であることがわかります。

また、デザインや色使いはモダンでインドで豊かさと幸福の象徴とされる「生命の樹」にインスピレーションを受けているとも考えられ、葉の間に鳥が描かれています。

こちらはタペストリーのように飾っていただけるタイプです。

インドのフォークアート、マタニパチェディを取り入れてみませんか

マタニパチェディの装飾

300年の伝統を守りながらも新しいものを取り入れ進化し現在に伝わるマタニパチェディ。想像を超える細かい手作業から生まれる作品は大変美しく、繊細なアートワークでありながら迫力があります。インテリアとしての存在感は計り知れません。

インドのフォークアート、マタニパチェディをインテリアとして取り入れてみませんか。

WELLBEING TOKYOではインドのフォークアート、マタニパチェディを扱っています

マタニパチェディを飾る

WELLBEING TOKYOのオンラインストアではコラムでご紹介しきれていないマタニパチェディもご覧いただけます。
また、六本木のショールーム(予約制)でもご覧いただけます。

お気軽にお問い合わせください。

【時間】11:00~17:00 完全予約制
【場所】東京都港区六本木
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