インド式アーユルヴェーダ養成生活。1~2月の過ごし方

南インドのチェンナイは、古代アーユルヴェーダの知恵が息づく場所です。アーユルヴェーダはただの治療法にとどまらず、心身の調和を目指すライフスタイルとして長い歴史を誇ります。今回はチェンナイのアーユルヴェーダ文化と、その知恵を取り入れたライフスタイルをご紹介します。季節の変わり目や体調の不調を感じやすいこの時期、アーユルヴェーダの力で心身を整えてみるのはいかがですか。
そもそも、アーユルヴェーダとは?

アーユルヴェーダは、3000年以上前にインドのヴェーダ文献に記されたことに始まり、古代インドの医療知識が凝縮されたもの。その歴史の長さに驚きます。特に南インドは豊かな自然と気候に恵まれ、アーユルヴェーダで使用されるハーブやスパイスの栽培に適していたこともあり発展したと言われています。ケララ州やチェンナイが州都のタミル・ナードゥ州ではアーユルヴェーダが文化として根付いており、「アーユルヴェーダの聖地」として知られています。
※写真はケララ州を訪ねた時のものです。豊かな自然が印象的でした。
1.アーユルヴェーダの食事 ~デトックスチキンスープ~

1月から2月のチェンナイは1年の中で最も涼しい時期です。季節の変わり目で体調を崩している人も多く感じますが、アーユルヴェーダではこの季節を「デトックスとエネルギーの調整」の時期として捉えています。この気温差が激しく不安定な時期に、チェンナイの家庭では温かいスープや煮込み料理がよく食卓に並ぶのだそう。アーユルヴェーダ的に人気なものは、ダールスープ(レンズ豆スープ)や、チキンスープまたは野菜スープ。特に生姜やターメリック、黒胡椒などのスパイスは消化を促進し、体内のエネルギーを活性化させる役割を果たします。
2.アーユルヴェーダのオイルマッサージ

アーユルヴェーダと言えば、オイルマッサージを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。南インドではアビヤンガと呼ばれるオイルマッサージが健康維持のために日常的に行われているのだそう。私自身もチェンナイで腰痛を感じた際にアーユルヴェーダ施設でオイルマッサージを受け、驚くほど体が軽くなりました。セラピストによる全身をオイルで包み込むような施術と、温めたハーブボールで腰を優しくポンポンと叩いてもらうことで、体が内側から温まりリラックスできました。アビヤンガは、ストレス解消や血行促進に効果的です。
3.アーユルヴェーダ薬局の活用法

チェンナイのアーユルヴェーダ薬局でお話を伺ってきました。
アーユルヴェーダの薬局では、個々の体調に合わせてアーユルヴェーダ製品が処方されるそうで、中でもアシュワガンダは特に万能なハーブとして広く利用されているのだとか。私も購入してみました。ストレス軽減や疲労回復に優れ、免疫力を高める効果が期待できるそうです。毎日一匙を、そのまま、またはミルクやお湯と一緒に摂取することで、心身の調和を保ちながらエネルギーを補うことができ、薬局の方によれば「何にでも効く万能薬」とのこと。
このように気軽にアーユルヴェーダ薬局で体調を相談し、処方してもらったことからも、アーユルヴェーダがいかに南インドの人々の生活に馴染み、身近なものであることを改めて感じます。
4.アーユルヴェーダを手軽にお茶から

もっと手軽にアーユルヴェーダを取り入れたいなら、お茶はいかがでしょうか。
チェンナイのスーパーでも手軽に購入できるOrganic IndiaのTulsi Teaは、オーガニック栽培されたホーリーバジル(Tulsi)をベースにしたハーブティーで、香り高くリラックス効果抜群です。Tulsiはストレスを軽減し、消化を助け、免疫力を高める働きがあり、季節の変わり目にぴったり。さらに、アシュワガンダが配合されたバージョンもあり、疲労回復や心の安定をサポートしてくれます。
アシュワガンダとはアーユルヴェーダ医学で非常に重要なハーブの一つで、ストレス軽減や疲労回復に効果的な植物として広く知られています。
アーユルヴェーダをライフスタイルに

アーユルヴェーダは、ただの治療法ではなく、心身の調和を保つためのライフスタイルそのもの。
古代から受け継がれてきたアーユルヴェーダの知恵を現代の生活に取り入れることで、心身の健康と調和を保てたらと思います。
ライター:Mayo Ishii
テーブルコーディネート中級取得。アフリカ、ヨーロッパ、東南アジアでの滞在経験を活かし、世界中の手工芸品や文化をテーブルコーディネートに取り入れることが好きです。現在、インド・チェンナイ在住。